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第41話  Earth & Fire 『Earth & Fire』 (1970) Netherlands

今夜の一曲  21st Century Show

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 歌詞の内容からして、21 century(21世紀)とかneuro-surgeon(脳神経外科医)なので、推して知るべし。まさにKing Crimsonへのオマージュと言える曲ですね。

 オランダが誇るプログレ・バンド、アース&ファイア(Earth and Fire)の輝かしいデビュー・アルバム。サウンド的には、後に見られるようなシンフォニックな要素は少なく、サイケ色のあるアシッド・ロックという印象。ジャーネイ・カーフマン(Jerney Kaagman)のVoもグレース・スリック(Grace Slick)っぽく聞こえたりします。

 バンドの初期には、ジミヘン(Jimi Hendrix)、モビー・グレープ(Moby Grape)、ジェファーソン・エアプレイン(Jefferson Airplane)などをフォローしてたそうなので、サイケの沼にどっぷりと浸かってたんでしょう。

 栄えある処女作からカットされた三曲は、いずれもヒット街道まっしぐら。ファースト・シングルの「シーズン」(Seasons)は、ダッチ・チャートの第二位まで昇り詰める。

 でもこれ、彼らがかつて前座してたゴールデン・イアリング(Golden Earring)の、バンド・リーダー兼ギタリストであるジョージ・コイマンス(George Kooymans)が手掛けた曲だった。つまり、彼らのオリジナルじゃないってことね。

 次なるシングルが、オリジナル曲の「Ruby Is The One」。これでコケたら他人のふんどしで相撲取っただけで終わってただろうけど、これまたチャート第四位に。さらに三曲目のカットの「Wild And Exciting」も第五位を記録。

 かくしてクルツ(Koerts)兄弟の天賦の才が大爆発。クリムゾンを聴いて衝撃を受けたヘラルト(Gerald)は、直ちにメロトロンを購入。2nd『アムステルダムの少年兵』(Song Of The Marching Children)(1971)の制作へとなだれ込んだ。


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 さて、最後に週刊誌ネタに突入しましょう。アース・アンド・ファイアーの系譜を辿っていくと、3rd『アトランティス』(Atlantis)(1973)までのベーシストはハンス・ズィーヒ(Hans Ziech)でした。

 ハンスはその後も歌詞を提供し続けますが、4th『To The World Of The Future』(1975)5th『Gates To Infinity』(1977)では、ベーシストがテオ・フアツ(Theo Hurts)にチェンジ。

 そして、6th『Reality Fills Fantasy 』(1980)から、ベーシストが元フォーカス(Focus)のベアト・ライター(Bert Ruiter)になりました。実は私は、これがジャーネイとベアトの運命の出会いだと思い込んでました。ですが、きっかけはもっと過去に遡るようです。

 Bertの英語版wikiを見ると「Focus解散後、Bertは妻のJerneyがVoを担当するEarth & Fireに加入した。二人は1974年に結婚している。」って書いてあります。1974年ってことはBertがFocus在籍中ですね!

 次にJerneyの英語版wikiを見てみましょう。英語版wikiには「Jerneyは結婚してはいないものの、Focus, Earth & FireのベーシストBertと同居している。」って書いてあります。

 あれっ? BertとJerneyそれぞれの英語版wikiでは食い違ってますね。謎ですね~(笑)。ま、どっちでもいいか~。いや、良くない。もうちょっと調べてみよっと。


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 Bertのオランダ語版wikiだと、「Focus解散後、BertはEarth & Fire(BertのパートナーであるJerneyが在籍)に参加した。」とあります。パートナーって言葉が使われてますよ。「結婚」という言葉もない。ちなみにスペイン語版wikiにはジャーネイのジャの字も出てきません(笑)。

 Jerneyのオランダ語版wikiには「Jerneyは結婚はしていないけれど、オランダのバンドFocus、Earth & FireのBertと1974年以来、同居している。」ってある。

 Jerneyのドイツ語版wikiには「1970年代のオランダの人気バンドFocusとのジョイント・ツアーにおいて、JerneyはベーシストのBertに出会い、後に彼をEarth & Fireへと導いた。二人は1974年以来ずっと同居しているが、結婚はしていない。」とある。何だかドイツ語版が一番、詳細で信憑性がありそうですね。

 ってことは、Bertのオランダ語版wikiを参考にしてBertの英語版wikiを作った担当者に原因が? オランダ語表記のpartnerを、英語でwifeと英訳して、その連想で「結婚」という言葉を使ったことで誤訳につながったのかなぁ。ふ~っ。

 オリジナルは変形のマッチボックス・カバー。でも翌1971年に出たUKリリースのネペンサ盤(Nepentha)は、ロジャー・ディーン(Roger Dean)のデザイン。これがまた入手困難。

 ebayではVG+の1stプレスが79,120円相当で落札されてた。それくらいの相場なんだと観念してrecordcollector.orgを覗いてみたら、M-/M-で3900ユーロと出た!53万円越えである! ただただ、脱帽。


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Jerney Kaagman / lead vocals
Ton van de Kleij / drums
Chris Koerts / guitar
Gerard Koerts / guitar, keyboards
Hans Ziech / bass


<第16話 Earth & Fire 『Atlantis』 へ>
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テーマ : サイケデリック
ジャンル : 音楽

第16話 Earth & Fire 『Atlantis』  (1973)  Netherlands

今夜の一曲 Maybe Tomorrow Maybe Tonight


atlantis


 ヒッピー・ムーブメント華やかなりし頃、ヒッピーたちが聖地と崇めた街がありました。サンフランシスコのヘイト=アシュベリー地区、地中海のイビザ島、インドのゴア、ネパールのカトマンドュ、オランダのアムステルダムなどなど・・・

 そこに行けば何かがある、と思われていた時代。アース&ファイヤはアムステルダムではなくオランダ第三の都市デン・ハーグ出身でしたが、サイケなイメージに乗って1968年クリス(Chris)とヘラルト(Gerald)のクルツ(Koerts)兄弟によって結成されました。ベースにハンス・ズィーヒ(Hans Ziech)、ドラムスにトン・ファン・ダー・クレイ(Ton van de Kleij)。ヴォーカルはジェーネイ・カーフマン(Jerney Kaagman)で確定。

 似てると思ったらクリス・クルツ(g)とヘラルト・クルツ(key)の二人は双子ちゃんでしたか。

 もともとサイケ・ポップを得意としていた彼らですが、セカンド『Song Of The Marching Children』(1971)で飛躍的な進化を遂げました。しかし、今回取り上げたサード『Atlantis』(1973)は、サウンド面でもコンセプト面でも、前作のカーボン・コピーにとどまりました。

 でも、煮詰まっていようが焦げ付いていようが、イイものはイイ。重厚なリズム隊に乗って強烈に吹き荒れるメロトロンの嵐。時に切り裂くように、時にメランコリックに浮かんでは消えるジャーネイ・カーフマンの妖艶なヴォーカル。メロトロン狂患者やフィーメイル・ヴォーカル・マニアにとっては、それだけでもう昇天です。

 サウンド的にはジェネシスの『Foxtrot』(1972)や、イエスの『Close To The Edge』(1972)を相当聞き込んできたのがわかります。単なる物まねに終わらずに、英国の大御所たちとの差別化が図れたのは、二代目ヴォーカリストのジャーネイの存在感でしょう。幸いにも彼らの映像が随分残されていますが「百聞は一見に如かず」とは、まさにこの事ですね。

 本作のコンセプトは、A面を柱とする「アトランティス大陸」の隆盛と消失を扱った神話的でオカルティックな組曲。サイケデリアと失われた大陸との関連は、いくら説明しようとしても無理がきます。しかも、極彩色のスリーブ・デザインに、どうして「ガネーシャ」が描かれているか首をかしげてしまいます。

 よくわかんないですけど、そのハチャメチャさが最高にあっぱれ。脳の髄までメロトロン漬けになりながら、アース&ファイヤのペテンに騙されてみるのも愉快ではありませんか。

 しかし、それをペテンと言うなら、アトランティスを記録に残した哲人プラトンも同様にペテン師になるので、滅多なことは言ってはいけません。口は災いのもとですから。

 さて、今回取り上げたのはアルバムからカットされたシングル曲「Maybe Tomorrow Maybe Tonight」です。これはDutch Top 10で第三位にランクされ、繰り返しラジオでオンエアーされました。

 プログレッシブな感性とキャッチーなポップネスとが、バランス良くミックスされた名曲です。この曲に欠点があるとするならば、夢中になって聞きまくると腰が抜けるのが難点でしょうか。


Jerney Kaagman / lead vocals
Ton van de Kleij / drums, percussion
Chris Koerts / acoustic & electric guitars, backing vocals
Gerard Koerts / organ, piano, flute, Mellotron, synthesizers, virginal, backing vocals
Hans Ziech / bass

Producer – Jaap Eggermont (ex - Golden Earrings)


<第41話 Earth & Fire 『Earth & Fire』 へ>

テーマ : プログレ
ジャンル : 音楽

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ticca

Author:ticca
 音楽ネタを中心とした雑記帳です。

 60年代後半から70年代にかけてのワールドワイドなロック、ポップス、プログレ、アシッド、サイケ、フォーク、ジャズロック、ジャズなどの話題を主に、ひっそりメモってます。

 それぞれの記事はその時々のフィーリングで書いていますが、基本形はある曲をきっかけに感じた雑感が題材になっています。

 私は単なる音楽愛好家ですので、記事に関しては、思い込みや勘違いがたっぷりあることかと思います。その点はご容赦願います。もし、お気づきの点があれば、ご指摘下さい。

 個人的に思い入れのあるものを主に綴っていますので、マイナーかつ気まぐれなセレクション、お許し下さい。

 それでは、今宵の音楽夜話におつきあい下さい。

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