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第26話  Lift  『Caverns Of Your Brain』  (1974) US

今夜の一曲 Simplicity


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 ディープ・サウスなプログ・ヘッド(proghead)と聞くと構えてしまうが、これが侮れない。Babylonと並び、私がUS Progを見直すきっかけになった作品の一つ。1974年にひっそりとレコーディングされていた。リリース・デイトは不明ながら、プリントされたのは500枚のみという。

 一聴するとFoxtrotやYours Is No Disgraceのイメージ。そうした意味ではGenesisやYesのフォロワーだが、独特のドライな感覚に包まれている。華麗なヴィンテージ・キーボード群の彩りや、リッケンバッカーのファットなベース・サウンドの疾走感がたまらない。

 1973年以前、ショーのオープニング曲はジェネシスの "Watcher of the Skies"だったという。彼らのカバー曲は、Yes, ELP, King Crimson, Moody Blues, Led Zeppelin, Beatles, Uriah Heap, Robin Trowerに及んだと聞くにつけ、バンドのルーツがうかがえる。

 当時最新鋭のムーグ・タウラス(ベース・ペダル)を使用するなど、メンバーたちは機材に贅を尽くした印象があるわりに、あまねく知られる事なく消えてしまった歴史がうらめしい。これほどテクとセンスに恵まれているのに。

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 その点、アメリカ南部におけるプログレの成功者の筆頭はカンサス(Kansas)でしょう。彼らも米国南部、カンザス州の州都トピカ出身。デビュー作もリフト(Lift)と同期の1974年。その後もコンスタントにアルバムをリリースし続け、NYのマジソン・スクウェア・ガーデンでヘッドライナーを務めるほどの実力者になった。

 カンザス州出身の著名人と言えば、デニス・ホッパー(俳優)やチャーリー・パーカー(ジャズ・ミュージシャン)、ジョー・ウォルシュ(ロック・アーチスト)、ウィリアム・バロウズ(小説家・画家)などが頭に浮かぶが、カンサスもそれに劣らぬ代表株にのし上がった。

 それに対し、我がリフトを負け組と称するには抵抗があるものの、知名度には格段の差があるのは否めない事実。その運命を分けたのは一体、何なのか。

 1974年のレコーディング・セッション時、リフトのバンド・メンバーは19歳。1975年、拠点をニューオーリンズ(ルイジアナ州)からアトランタ(ジョージア州)へ。ルイジアナやジョージアと言われても、一般的にはジャズやカントリー、ケイジャンのイメージでしょうか。

 しかし、実際は南部と言えども、サラダ・ボウル文化。十把一からげにラベル貼ってわかった気になるのは危険だ。彼らの志向を受け入れる土壌はきっとあったはず。

 彼らは、なぜか北米のフィラデルフィア(ペンシルバニア州)で、キャヴァーンズ・セッションの二曲を再録もしています。

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 しかし、その後ヴォーカリストとベーシストの二人が相次いで脱退。メンバー募集の広告を見て応募してきた新ヴォーカリストのローラ・ポピー・ペイト(Laura "Poppy" Pate)を含む新加入組の新しい血を入れて蘇生。しかし、ローラの私事に伴う突然の脱退で活動は先細りに。

 1977年にはブートLP (Guiness Records) が出回るが、メンバーは誰一人としてその事実を知らなかった。1990年に至って、Syn-Phonicのグレッグ・ウォーカー(Greg Walker)がマスター・テープから起こして正規再発。

 かくして、リフトは全世界に知られることになった。そしてようやく正当な評価をものにする。

 やれやれ。世の中、捨てたものじゃない。


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Chip Gremillion / Hammond B-3, Mellotron 400, electric & acoustic pianos, Moog Sonic Six, ARP Odyssey
Cody Kelleher / Rickenbacker bass and Taurus bass pedals
Chip Grevemberg / Rodgers drums, chimes, gongs, bells, percussion
Richard Huxen / lead guitar, electric & acoustic guitars, steel slide guitar
Courtenay Hilton-Green / lead vocals, flute

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テーマ : プログレ
ジャンル : 音楽

第25話  Small Faces  『Ogdens' Nut Gone Flake』 (1968)  UK

今夜の一曲  Happiness Stan

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 元々モッズ・バンドとして知られるスモール・フェイセズ(Small Faces)。彼らは4作目『オグデンズ・ナット・ゴーン・スペシャル』(Ogdens' Nut Gone Flake)で、ロック・サイケデリアを極めた。

 五連ポスター付き、タバコ缶をあしらった必殺の変形ジャケ。リバプールの老舗タバコ・ブランド (Ogden's Nut Brown Flake)をパロったそうですが、Nut BrownではなくNut Gone(いかれちまった)になってます。もちろん、この缶に入れるのはマリファナであって、タバコなんかじゃありません。

 「Lazy Sunday」も乱痴気騒ぎの末の作曲。反省の色もなさそうで、公序良俗に反してますね。B面コンセプトの「Happiness Stan」の構想もスティーヴ・マリオット(Steve Marriott)とロニー・レイン(Ronnie Lane)のスモーキング・ハイの産物。あ、スタンってのはロニーの親父の名前らしい。


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 この組曲は、エキセントリックなアクター、スタンレー・アンウィン(Stanley Unwin)のナレーションに導かれるおとぎ話。スティーブとロニーは、スタンレーが持ちあわていないヒップな言い回しやコックニーイズムを教え込んだ。

 お空の月の欠けた半分を求めて放浪の旅に出る荒唐無稽も凄すぎるけど、これを否定する人は子供の心を忘れた詮ない大人、と後ろ指さされそう。

 でも、これは「人生の意味」を求める旅なので、まさに大人に向けてのメッセージというわけだ。それがハエの怪物が出てきたりのサイケ・トリップだったのは、時代のなせる技ですかね。

 でも、これ、ヘタれた音楽に成り下がるでもなく、UKアルバム・チャートで6週間にわたってNo1に君臨したのはサブカルの域を超えてる。


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 A面B面のコンセプトがちぐはぐなのは、さすがにメンバーもこの路線に自信がなかったからに違いない。それでも、アルバムには捨て曲がないし、メンバーたちの演奏にはどこか突き抜けたセンスが光る。

 ザ・フーの『トミー』に1年先立つ「英国初のロック・オペラ」という触れ込みもイカしてる(死語?)。

 解せないのは、英国では絶賛されたものの、米国では159位どまり。ほとんど無視されたってことですね。

 当時のこうしたバンドによくあるように、彼らはライブでの楽曲の再現がきわめて難しい領域に足を踏み入れてしまった。でも、「Happiness Stan」組曲は、BBCの"Colour Me Pop"のスタジオライブ( Friday 21 June 1968)で、奇跡的に一度だけ再演されているんです。


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 バンドの絶頂で解散に至るパターンはゾンビーズの『Odessey and Oracle』も同様。ダイナミズムを追い求めるライブを離れ、密室の作業に没頭するようになると、同じミュージシャンでも職種が違ってくる。ビートルズも同じ悩みを抱えた。

 『Ogdens' Nut Gone Flake』は2012年、三枚組のデラックス・エディションがリリースされた。こうしてスティーブやロニーの試行錯誤を追体験できる機会を得てみると、わくわくする昂揚感とは裏腹の、一抹の説明のつかない寂寥感さえ感じますね。


Steve Marriott − vocals, guitar, harmonica
Ronnie Lane − bass guitar, guitar, backing vocals, vocals
Kenney Jones − drums, percussion
Ian McLagan − keyboards, guitar, bass guitar, backing vocals, vocals
Stanley Unwin – "looney links"
Glyn Johns – recording engineer




テーマ : サイケデリック
ジャンル : 音楽

第24話  IF 『if 2』  (1970) UK

今夜の一曲  Sunday Sad


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 アメリカのChicagoや、BS&Tの影響下で生まれた・・・と言っても、その傍流に収まることのない英国流ブラス・ロック。7ピースのジャズ・ロック・バンドですが、トランペットやトロンボーンではなく、サックス二本やフルートを配して独創的。ジョン・ミーリング(John Mealing)のオルガンもまた、実にいい味。

 リーダーはテナー・サックス&フルートのディック・モリッシー(Dick Morrisse)。音傾向はいわゆるブラス系ロックにあっては、かなりジャズ寄り。火の出るようなインプロヴィゼーションが持ち味。

 バンドの創世とサウンド傾向を解く鍵は、マネジメントとプロデュース担当のルー・ファッターマン(Lew Futterman)にあります。ルーはソウル&ジャズ畑を歩いてきた人物なんです。

 ルー・ファッターマンは、米国のソウル・シンガーJ.J.Jacksonのプロデュースにも当たってきました。創設メンバーのディック・モリッシーとギターのテリー・スミス(Terry Smith)はJ.J.J.のバンドで演奏していました。

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 その二人がIFを結成し、同じくJ.J.Jのバンドにいたデイヴ・クインシー(Dave Quincy)をIFのオリジナル・ラインナップに加えているのですから、この音になるのは当然の帰結だったのでしょう。

 あまり知られていませんが、一時はデイブ・グリーンスレイド(Dave Greenslade)も在籍しています。

 IFは多作なアーチストでしたが、モリッシーの健康上の問題で終焉を迎えます。バンド・メンバーたちは、それぞれのキャリアを終えると、Darryl Way's Wolf (J.W. Hodkinson), ZZebra (Dave Quincy), Strawbs(John Mealing), Foreigner(Dennis Elliott)など、そうそうたるバンドに巣立って行きます。

 本作はデビュー作の成功に気をよくして、USツアー半ばでNYのスタジオに飛び込んでレコーディングしたものです。まさに飛ぶ鳥を落とす勢い。

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 本作が個性的なのは、米国流のブラス・ロックと英国のジャズ・ロックのハイブリッドなところでしょうか。デビュー作よりも英国色が薄らいだとは言え、どうしても出自は隠せません。二本のテナーがユニゾンがぐいぐい迫る展開が悶絶ものだし、いかにも英国ジャズ・ロックのギターやオルガンのソロはため息もの。実力派だけに安心して聴いていられます。

 リード奏者によって、ガラっとムードが変わるのも楽しいですし、各楽器が巧妙に次々にリードする展開はたまらなくエキサイティングです。

 再発に当たってはCD/DVD二枚組拡大盤仕様がリリースされています。本作発表後の1971年7月、英国リバプール大学での公演映像(Live at Liverpool University, 1st July 1971 )を収録したものです。豪華なブックレットにはクインシーの曲ごとの解説があって、読み応え十分。

 英国のブラス・ロック・・・実に深い。

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Dennis Elliott / Drums
J.W. Hodgkinson / Vocals
John Mealing / Keyboards, Vocals
Dick Morrissey / Saxophones, Flute
Dave Quincy / Saxophones
Jim Richardson / Bass
Terry Smith / Guitar


テーマ : 洋楽ロック
ジャンル : 音楽

第23話  Agincourt  『Fly Away』  (1970) UK

今夜の一曲 When I Awoke


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 何だ、こりゃ。まるでやる気のないジャケット。もこもこした音像。どたばたリズム・・・

 アジャンクール(Agincourt)が創作の衝動を形にしたのは、ハウエルの実家でした。当然レコーディングはホームメイド・クオリティの域を出ない。しかしだ・・・!

 これが捨てたもんじゃない。フォーク・ロックとサンシャイン・ポップをサイケ風味で味付けしたアジャンクール(Agincourt)の『Fly Away』。耳について離れない美しいメロディ。リー・メネラウス(Lee Menelaus)のチャーミングでラヴリーなヴォーカル。まるで白日夢の世界に迷い込む感覚。

 才人、ピーター・ハウエル(Peter Howel)とジョン・フェルディナンド(John Ferdinando)の二人にとっては、これくらいの音作りは、お茶の子さいさいだったでしょう。アジャンクール(Agincourt)に限らず、Ithaca や Alice Through Looking Glass, Friends, Tomorrow Come Somedayなど、どれもこれも捨てがたいから悩ましい。

 ムーディ・ブルースを愛聴していたんでしょうか。アジャンクールのサウンド・メイキングへの影響は絶大に感じます。ピンク・フロイドやフェアポート・コンヴェンションも聞き込んでいたはずですよ。

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 この愛すべきブリット・サイケデリアは札付きの問題児。プレス数が99枚と、メガ・レアいっちゃってる。一説にはプレス枚数50~99枚とも。”a few dozen"という表現もみかけました。

 EXコンディションのオリジナルが、1500ポンドの値をつけたって話もある。ホンマかいな。時価で計算すれば \259,419だから、ぶっ飛ぶ話だ。裏付け取ろうとしたけれど、わかりませんでした。別のビッドと思われますが、2013年2月14日付けのオークションでは$2682(USD)。ざっと計算すると\250,946。

 もっと安価な取引もある。2008年11月19日のオークションは、エンド・プライスが $1675(USD)だったから、日本円(JPY)なら当時のレート換算(1$ = \96.67)でも \172,759。それでも半端じゃない。

 この出品はマーリン盤(Merlin Records HF3)のオリジナル・プレス。DISK CONDITION; VG / LABEL; M- / COVER; VG+, very close to M- / INSERT; VG+。コメント欄がまたふるってる。"Don't miss this once-in-a-lifetime opportunity! " 一生に一度のチャンスだそうです(笑)。

 哀れな私は、90年代に粗悪なブートで再発された時点で、「待ってました!」と飛びつきました。その後、めでたくボーナスを加えて正規再発。

 正規盤はAcme Lion やMedia Arte ですね。ACLNは16ページのブックレット付き(バンドヒストリー、未発表フォト、リリックス含む)みなさんもバッタもんにはくれぐれも手を出さないように。

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 ちなみに、Agincourt(アジャンクール)というのは、北部フランスの町。ジャンヌ・ダルクでもおなじみ、「百年戦争」の戦いの舞台の一つです。

 グループは基本的にレコーディングバンドでした。フェルディナンド(Ferdinando)とハウエル(Howell)の黄金コンビは、ハウエルがBBCのエンジニアに起用されてパートナーシップ解消となりました。

 個人的にはGraphics were done by Veronica Ruddinってのが気になりますね。「ヴェロニカって誰さ?」って感じ。リー同様、ハウエルやフェルディナンドの地元(Ditchling, Sussex, England)での気の良い友人の一人だったのでしょうか。スリーブ・デザインのフクロウはB4の"Barn Owl Blues"のイメージですね、きっと。

 愛すべきドリーミーなサイケ・フォーク作。疑いなく私の愛聴盤の一つです。


Peter Howell - acoustic guitars, mandolin, piano, organ, recorder, percussion
John Ferdinando / vocals, electric and acoustic guitars, bass guitar, auto harp
Lee Menelaus / vocals, backing vocals

with
Andrew Lowcock / flute
Brian Hussey / drums


テーマ : サイケデリック
ジャンル : 音楽

第22話  Barbara Dennerlein - Very Hot Stuff (1992) Germany

今夜の一曲   Very Hot Stuff (Vienna, 1992)




 バーバラ・ダンナレイン(Barbara Dennerlein)。1964年、ドイツ生まれのジャズ・オルガニスト。15歳で地元のジャズ・クラブで定期的に演奏を始めたのを皮切りに、18歳にして、ラジオやTV(BR, ARD, ZDF, SWF)のショーで大活躍・・・

 かくして『ミュンヘンのオルガン・トルネード』の評判で、彗星のようにデビューした才媛。そのスタイルも、スウィング、ビバップ、ブルース、ソウル、ラテン、ファンクなど、何でもござれのクロス・ジャンル。

 バーバラにとってのヒーローはジミー・スミス(Jimmy Smith)ではなく、チャーリー・パーカー(Charles Parker Jr.)だったそうです。音楽センスも、むしろラリー・ヤング(Larry Young)に近いとさえ言う人もいます。

Barbara Dennerlein

 彼女が本格的にジャズの世界に飛び込んだ時、既にハモンドB3は生産が中止(1974年)されていました。B3はパーカッションを搭載した最初のハモンド製品でした。

 しかし、バーバラはB3にこだわりました。しかも、MIDIテクを駆使し、ペダルボードにアップライト・ベースのサンプリング音を割り振ったり、鍵盤にシンセをトリガーさせたりと、まさに時代の申し子でした。

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 何と言っても、バーバラのハモンドB3のペダルワークは悶絶ものです。ジャズ・オルガニストでペダル・ベースにこだわる人は稀です。左手でベース音を弾きながら、右手でコードやソロ、アドリブを展開するのが、ジャズ・オルガニストの定番の一つです。

 しかし、彼女にとって、ペダルワークは自身のプレイ・スタイルに不可欠。リズム構造の根幹となっているそうです。彼女自身が、この点について触れたインタビューがあったのでご紹介します。

 これは、イタリアのラリーノ(Larino)でのコンサート時、大聖堂の前でインタビューに答えたものです。インタビューはイタリア人のインタビュアーが英語で行ったものです。本稿における彼女の名前の発音は、このインタビュアーの発音に準じています。正確ではないかも知れませんので、ご了承ください。ちなみにフランスのセジャンのコンサートではフランス人のMCが、バーバラ・デナラインと言っていました。



 気品と優雅さ溢れる受け答えですね。まさに、ジャズ界のハモンド・クイーンです。ますます虜になってしまいます。(笑)

 ところで、日本において、ハモンドオルガンの輸入代理業務を最初に行っていたのは、何と『メンターム』の近江兄弟社だったと書いてあります(wiki資料)。なるほど。近江商人はメンタームからハモンド・オルガンまで商いしてましたか。近江商人の行動哲学は「売り手よし、買い手よし、世間よし」でしたね。

 ことバーバラに関して言えば「音よし、テクよし、センスよし、もひとつおまけに器量よし」ですね。

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Barbara Dennerlein / Hammond B3 Organ.
Dennis Chambers / Drums.

Not shown on clip:
Andy Sheppard / Sax,
Mitch Watkins / Guitar


テーマ : JAZZ
ジャンル : 音楽

第21話  Curved Air 『Air Cut』 (1973) UK

今夜の一曲  Metamorphosis


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 16歳だったエディ・ジョブソン(Eddie Jobson)。音楽アカデミーへの入学を望んでいましたが、年齢制限に引っかかって入学許可がおりず。やむなくバンド活動(Fat Grapple)をしていたところ、ギグのメイン・アクトのカーヴド・エア(Curved Air)の目にとまり、大抜擢されています。

 エディの起用はフランシス・モンクマン(Francis Monkman )とダリル・ウェイ(Darryl Way)の代役だっただけに、「大抜擢」という表現も大げさには聞こえません。実際、この曲における彼の活躍ぶりは、17歳にしてまさにバーチュオーゾ(巨匠)の域に思えます。

 ただし、第4作『エア・カット』(1973)の評判は惨憺たるものでした。前三作が、全てUK Top 20にチャート・インしていたのに対し、本作は泣かず飛ばず。

 前作までのクラシカルな要素が薄らぎ、カービー・グレゴリー(Kirby Gregory)のギターの際立つハード・ロック寄りの音となっています。後年、ソーニャ・クリスティーナ(Sonja Kristina)は「以前よりもっとロックなエッジが欲しかった」と語っています。

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 ファン心理というのは複雑なもので、フランシスとダリルのイメージを大切にしてきた人にとっては、本作は許しがたい暴挙に思えたのでしょう。まるで、どこかで聞いたことのある某バンドのコピーに感じた人がいたかもしれません。ただ、私は『エア・カット』はお気に入りの一枚。

 『Socond Album』(1971)リリース後、ベーシストのイアン・アイアー(Ian Eyre)は体調を崩し、マイク・ウェッジウッド(Mike Wedgwood)に代わって第三作『ファンタスマゴリア(Phantasmagoria)』(1972)をリリースすることになります。

 フランシスとダリルの音楽的見解の違いは最悪。修復不能な状態でした。フランシスはジャム・プレイを好み、ダリルは正確で精緻な音を完璧に遂行することを望んでいました。フランシスはダリルに敬意を表してはいるものの、互いに相容れない存在だと語っています。

 実際に、『Phantasmagoria』はA面はダリル、B面はフランシスの手による楽曲のショー・ケースとなっています。

 『Phantasmagoria』(1972.4発売)のツアー半ば、神経を病んだフランシスが脱退(Session活動を経てSkyへ)。続いて、ダリル(Wolf結成へ)とフロリアン(Kiki Deeのバンドへ)もバンドを去ります。

 残されたのは、ソーニャとマイクのみ。 このあたりは2007年のCherry Red TV Interviewでソーニャが生々しい証言をしています。興味のある方はどうぞ。




 二人は、カービー・グレゴリー、とジム・ラッセル(Jim Russell)、エディ・ジョブソンを迎えてツアーの残りを消化します。

 音的には全く別バンドでしたが、商業的な理由でカーヴド・エアの名前を使おうと提案したのは、マネージャのクリフォード・デイヴィス(Clifford Davis)でした。

 しかし、『エア・カット』のマーケティングの失敗、エディVSカービー&ジム組の主導権争いにより、バンドは活動のインセンティブを失います。ワーナーからも契約を打ち切られ、1973年夏に解散。エディはロキシー(Roxy Music)へ、カービー&ジム組はストレッチ(Stretch)へ。

 こう考えてみると、カーヴド・エアがいかに微妙なバランスの中で数々の名作を作り上げてきたかが一目瞭然ですね。

 前身バンドのシシファス(Sisyphus)以降、何度もメタモルフォシス(変容)を遂げてきたカーヴド・エア。その後も現在に至るまで、幾度となく離合集散。そのたびごと、新たな変容を遂げながら、音楽へのモチベーションを維持しています。それがまさにクリスティーナのカリスマティックな魅力なんでしょうね。

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Sonja Kristina / Composer, Guitar (Acoustic), Vocals
Mike Wedgwood / Bass, Composer, Vocals, Lead vocal on "Two Three Two"
Kirby Gregory / Guitar
Eddie Jobson / Keyboards, Mellotron, Synthesizer, Violin, Violin (Electric), Vocals
Jim Russell / Drums, Percussion



 

テーマ : プログレ
ジャンル : 音楽

第20話 Julian's Treatment 『A Time Before This』  (1970)  UK

今夜の一曲  Strange Things 
  

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 新宿西口の、暗くてかび臭い中古レコード店で、これを見つけたあの日。たまたまジュリアンズ・トリートメントがかかっていたんです。思わず鳥肌が立ちました。そんな事を、まるで昨日の出来事のように思い出しています。

 ドミニカ出身のジュリアン・ジェイ・サヴァリン(Julian Jay Savarin)。彼が渡英後に結成したのが、ジュリアンズ・トリートメントでした。

 本作はヴォーカルにオーストラリア出身のキャシー・プルーデン(Cathy Pruden)を配して、意欲的な二枚組としてリリースされました。しかし、プロモーションなど全くなかったと言います。

 2nd『Waiters On Dance』(1971)のリリースを最後に、以後、小説家として本格的にSF小説の執筆活動に転向しました。SF作家として日本から火がついた、との情報もあります。

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 ジュリアンの作家としての活動ですが、『Waiters On Dance』をコンセプトとする同名作を皮切りに『三部作』(The Time Odyssey Trilogy)を上梓していきます。以後、SF作家としての比類なきキャリアがスタートしました。

The Lemmus Trilogy
1. Lemmus One: Waiters on the Dance
2. Lemmus Two: Beyond the Outer Mirr
3. Lemmus Three: Archives of Haven

 さて、本作『A Time Before This』は、人類最後の生き残りの男が惑星Alkonに流れ着き、Blue Women一族の王妃Altarraに出会う事からストーリーが展開していきます。

 アルバム全体のイメージとしては、オルガンをメインにしたサイファイ・オペラという感じ。キャシーのヴォーカルは素人くさいけれども、元キャタピラ(Catapilla)のジョ・ミーク(Lady Jo Meek)とは違ったワイルドでセンシティブな魅力が感じられます。

 ところで、アルバム・カバーのお話。冒頭にかかげたDecca US盤はフレッド・マルセリーノ(Fred Marcellino)作なんです。これがまた震っちゃう。下に掲げる『A Time Before This』のジャケがYoung Blood盤です。これも勿論、悪くないのですが、やはり私はマルセリーノのUS Deccaにこだわってしまいます。

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 マルセリーノの本職は子供の本の挿絵や表紙絵ですが、一時期キャピトルやデッカ、ポリグラムのミュージシャンのスリーブ・デザイン・アートを引き受けていました。しかし、他のアーチストのアルバム・カバーと比較しても、『Time Before This』のデザインは異色ながらも出色の出来。

 これは何よりもマルセリーノがアーチストのコンセプトを十分に理解した上でデザインを担当しているからでしょう。彼のようなアーチストこそ、本物のプロフェッショナルと呼ぶべきでしょう。

 eBayのぞいたら、マルセリーノのジャケット盤が120ドルで出てました。コンディション次第ですが、これなら買いか? しかし、財布をのぞくと出るのはため息ばかり。ここんところ、ガソリン代も超高値つけてるからなぁ。お小遣いアップを陳情しないと・・・


Julian Jay Savarin / vocals, keyboards
Cathy Pruden / vocals
John Dover / bass
Jack Drummond / drums
Del Watkins / guitar, flute


テーマ : プログレ
ジャンル : 音楽

第19話 Roxy Music 『Viva! The Live Roxy Music Album 』 (1976) UK

今夜の一曲 Out Of The Blue


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 たとえ「グラム界のチャラ男」と中傷されようと、それこそブライアン・フェリーという男の勲章そのもの。

 2014年7月24日のThe Telegraph誌は、フェリーの女性遍歴をわかりやすくまとめています。1975年に『Siren』(1975)のモデルだった11歳年下のジェリー・ホールと交際。1977年、ジェリーがミック・ジャガーのもとに走ったため、不本意ながら「Jerry Ferry」ならず。(笑)

 1982年『Avalon』のモデルだった14歳年下のLucy Helmoreと結婚。四人の子宝に恵まれるも、2003年には離婚。Roxyの再編ツアー(2001年)でダンサーの一人だった35歳年下のKatie Turnerと交際。二人はその後別れ、フェリーはLady Emily Comptonとの交際が始まったが、2006年Katieとのよりが戻る。

 その後、長男のOtisの元ガールフレンド、37歳年下のAmanda Sheppardと結婚。2012年1月のことでした。しかし、その結婚も19ヶ月で破れ、昨年2013年8月には破局になります。

 あれ、このブログ、いつから週刊誌ネタ追っかけてるんでしょうね。それはともかく、本作『Viva!』です。当時、ロキシー・ミュージックは休眠状態でした。そこでファンをつなぎ止めておくために急遽、計画されたのがこのライブ盤でした。


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 内容は、1973~1975年の三つのコンサートからの抜粋となっています。年代順にApollo Theatre, Glasgow (November 1973)、Newcastle City Hall (November 1974)、Empire Pool, Wembley Arena (October 1975)です。

 内容的にもベスト選曲。しかも、ベーシストが定着しなかった事に起因する音のばらつきを解消しようとしてか、スタジオ・オーバーダブで我らがジョン・ウェットンを目一杯起用しているようです。

 それだけでなく、他の楽器やヴォーカル、観客のレスポンスも含め、スタジオでかなり手が入れられた可能性があります。で、AllMusicのクレジット見てて気になった事があるんです。以下はその抜粋。

 まずは、Roxy Music - primary Artistという記載が目につきました。

Bryan Ferry - vocals, keyboards (GA / GM)
Andy Mackay - saxophone, oboe (GM)
Paul Thompson - drums (GM)
Phil Manzanera - guitar (GA / GM)
Eddie Jobson - strings, synthesizer, keyboards (GA)
John Wetton - bass (GA / GM)

Sal Maida - bass
John Gustafson - bass
Rick Wills - bass

ちなみに以下は曲ごとのベーシストに関するwikiの情報です。

John Gustafson - bass on "Both Ends Burning"
Sal Maida - bass on "Pyjamarama" and "Chance Meeting"
John Wetton - bass on "Out of the Blue," "The Bogus Man," "If There Is Something," "In Every Dream Home a Heartache," and "Do The Strand"

The Sirens (Doreen Chanter, Jacqui Sullivan) - background vocals on "Both Ends Burning"

 GAはGuest Artistの略、GMはGroup Memberと読み替えて下さい。このクレジットによると、Roxyのメンバーはフェリー・マッケイ・トンプソン・マンザネラ・ウェットンという事になりませんか?

 次にゲスト・アーティストのクレジットがフェリー・マンザネラ・ジョブソン・ウェットン。自分が理解するところのGuest Artistとは定義が違う気がします。ひょっとして、GAの記載のある四人が、スタジオでダブ作業に関与したんでしょうか。

 不思議なのは、ベーシストに関して。リック・ウィルス(Rick Wills)(Peter Frampton, Foreigner, Small Faces, David Gilmour, Bad Company, Roger Daltrey etc. )のプレイに関しては、『Viva!』のクレジットに記載があるものと、ないものとがあります。

 上記のwiki資料には、リックが関与したパフォーマンスは見受けられません。ジョン・ガスタフソンやサル・メイダ、ジョン・ウェットンなど3人のクレジットはあるのに。リックはスタジオ・ワークのみなのでしょうか?

 自分の考え違いもあるかと思いますが、真相をご存知の方、どなたかご教授頂ければ幸いです。


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 では、『Viva!』は「作られた感」満載のフェイクなライブに過ぎないんでしょうか?切り貼り&継ぎはぎだらけのエセ実況盤なんでしょうか?

 しかし、それをもって悪とするならば、映画やフィクションの虚構性を真っ向から否定することにつながります。所詮コマーシャリズムと開き直るつもりはありません。でもこれほど完璧なアーチスト・イメージのパッケージ商品もないでしょう。

 無条件のスタンディング・オベーションで喝采を送りたくなるほど、燃え上がるロック魂。それでいてどこか醒めた目の、聞き手を突き放すようなクールネス。そんなアンビバレントな感情に支配される興奮と虚脱感。

 期待してなかっただけに、自分にとってはまさにChance Meeting(A4)でした。このアルバムを機に、ウェットンとジョブソンが顔合わせし、それがUKにつながったのならば、これもまさにChance Meetingでしたね。


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 12 July 2014付けのDaily and Sunday Express誌で、こんな記事を見ました。Roxy Music's Bryan Ferry receives honorary degree from Newcastle University.

 彼の出身のニューキャッスル大学(Newcastle University)から名誉学位(an honorary Doctor of Music)が贈られることが決定したようです。彼は46年前の1968年、同大の芸術学部を卒業していました。

 さて、オープニング曲のOut Of The Blueは4th『Country Life』(1974)収録。フェリーはイーノとの確執の末、3rd『Stranded』(1973)以降、カーブド・エアから迎えたエディ・ジョブソンを起用します。

 それがこの曲に結実。アンディのオーボエからエディのバイオリン・ソロまで息をもつかせぬ勢いですね。傑作。


<関連記事>第36話 Roxy Music 『Country Life』 へ




テーマ : 洋楽ロック
ジャンル : 音楽

第18話 Flibbertigibbet 『Whistling Jigs To The Moon 』 (1977) South Africa

今夜の一曲 Mariner Blues


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 うわっ。アリソン・ウィリアムスだ! 儚い、かげろうのようなアリソンのゆかしい歌唱が流れてきた瞬間、私の意識が飛んだ。「マリナー・ブルース」一曲だけで致死量いってますね。

 メロウ・キャンドルのアリソン(Alison Williams)とデヴィッド(David Williams)のカップルはヨハネスブルグで出会ったジョアンナ(Joanna Dudding)、バリー(Barrie Glenn)組とバンド活動を始めます。グループ名のFlibbertigibbetは「ちょっとお馬鹿でおしゃべりな女」ってところでしょうか。

 フリバーティジベット(Flibbertigibbet)はギグやTV・ラジオへの出演など、精力的に活動しましたが、1979年、ジョーとバリーの結婚に伴う脱退でメンバーの補充を余儀なくされます。ジョー&バリーはカナダへ。フリバーティジベットは1986年まで南アフリカやボツワナでひっそりと活動を続けたようです。


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 彼らの唯一作はコレクターでさえ、長きにわたってその存在が知られていませんでした。ヨハネスブルグのスタジオでひっそりと録音され(EMCEE Studios in Hillbrow, Johannesburg)、謎のStanyan Recordsから南アフリカのみリリースされました。

 しかし、リリース枚数は200 Copiesとされてますから、オリジナル盤は激レアですね。試しにeBay覗いてみると、2007年のオークションでしたが、落札価格は$606(\62,451)でした。

 Kissing Spell(英国)が1996年に秘密のヴェールを剥ぎ、Flibbertigibbetの存在を世に知らしめました。Si-Wan(韓国)の再発と合わせて、一気に数千枚が売れたというからびっくりです。

 オリジナル盤のクレジットにはThe Incredible String BandのRobin Williamsonへの謝辞が述べられていますが、アルバムのゲスト・ミュージシャンの名前には該当はありませんでした。

 アルバム全体のサウンドはメロウ・キャンドルのようなプログ・フォーク色は薄く、もっとアイリッシュ・トラッド寄りのサウンドとなっています。革新性もプログレ感もないアルバムですが、アフリカの南半球にありながら、ケルティック・ルーツを見直したような感覚が不思議に暖かく感じます。

 さて、「マリナー・ブルース」(Mariner Blues)。この曲のクレジットはソニー・コンデル(Sonny Condell)です。ソニーがレオ・オケリー(Leo O'Kelly)と組んだのがTir na nOgでした。

 その同名デビュー作『Tir na nOg』(1971年)のA②のカバーが「マリナー・ブルース」というわけです。グループ名に関しては、ティア(ティル)・ナ・ノグ(ノーグ)など、色んな表記があって混乱します。いずれも英語式の発音に準じた表記と言えそうです。でも、生粋のアイルランド人の発音を聞いていると、三人のうち二人がチア・ナ・ノーグって言ってました。

 「マリナー・ブルース」。私のお気に入りです。ケープ・ポイントから南太平洋と南極海とインド洋を見渡すイメージではなく、目を閉じて浮かび来るのは、アイリッシュ海の陰りのある情景です。

 『Whistling Jigs To The Moon』。AssieもDaveも、よくぞこの得がたい至宝を残してくれたものです。奇跡というのは起こるものなんですね。ああ、私の人生にも奇跡が起こってくれないかなぁ。


Alison O'Donnell / vocals
Dave Williams / guitar, vocals
Jo Dudding / vocals
Barrie Glenn / guitarist
Denis Lalouette / bass

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ジャンル : 音楽

第17話 Airlord   『Clockwork Revenge』  (1977)  New Zealand

今夜の一曲 Clockwork Revenge


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1982年8月某日、またまた未知のレコードに遭遇。面白そう。Rei De Haanが手がけたアウター・カバーアートがいい。初期ジェネシスを思わせるようなWayne Larkinのインナーのイラストも合格。

 ロゴ・レタリングはクレジットを見ると、ギタリストのSteve Mackenzieによるものらしい。メンバー編成と担当楽器もよろし。リリース・デイトの1977年もマルだ。


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 どこの国のグループ?・・・わからない。Festival Records Pty. Limitedって何者? レコード盤のセンター・レーベルにはInfinityとあって、オーストラリア地図の中にAUSTRALIAN RECORDINGと書かれている。さらに、Reorded at Festival Studios, Sydney, Australiaとある。どうやらオーストラリアのバンドみたいだな。よっしゃ、買ってみるか。

 一曲目を聴いてびっくり。いきなり、ぜんまいを巻き上げる音と共に、ベース・キーボード・ギターが入ってきたと思ううち、テープスピードが緩むように演奏が止まりかける。その途端、全員のアンサンブルが炸裂して、へんちくりんなヴォーカル・ラインが飛び込んでくる。

 なんだ、こりゃ。こいつはダウンアンダーなGenesisクローンだ。ガブリエルがヘリウム・ガス吸って録音したみたいにも聞こえるぞ。って言うかGenesisのガレージ・バージョン?Genesisがハード・プログレの領域に足を突っ込んだようなサウンド?しかもコーラスがNa Na Na Na Na Na Na Naってくるから気が狂いそうになる。

 ああ、非現実じみたマザーグースっぽい怪奇譚は恐すぎますねぇ。『Nursery Cryme』や『Foxtrot』に対する南半球からの回答?

 う~ん。私、気が弱いんです。みなさんも子供達や玩具類を大切にしないと、おもちゃ達に血祭りに上げられますよ。おもちゃのお人形さんや兵隊さん達は、店番のおばちゃんに「殺しはしないよ」って言ってるけど、言葉通り店に火をつけられたらたまんないです。


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 本作は『ぜんまい仕掛けの復讐』として、1983年NEXUS Internationalから発売されました。邦盤とはとうとう縁がなかったので、インナーの解説は読まずじまいです。彼らについての情報も限られてます。

 少なくとも明らかになったのは、彼らは1976年に結成されたニュージーランドのバンド。国内では商売にならなかったので、オーストラリアに移り、1977年に唯一作をレコーディング。けれども、1978年には解散を余儀なくされました。

 タイトルは勿論、キューブリックの『時計じかけのオレンジ』(Clockwork Orange)(1971年映画)を意識したものでしょう。ウルトラ・バイオレンスに明け暮れるアレックス(Alex DeLarge)のアンチ・ヒーローぶりは気に障りましたが、こちらのリベンジの方も、おばちゃんの因果応報にせよ、暴力はいけませんね、暴力は。

 NZと言えば、サイケ野郎なDragonや、魅惑のシンフォ・プロッギーなRagnarokなどのセールスポイントのある連中が頭に浮かびます。Airlordと聞くと、どうにも分が悪いのですが、タイトル・チューンは彼らの魅力が一杯詰まった佳曲です。

 ぜんまい巻く音を聞くたびに思うのですが、ついでに私の頭のぜんまいも巻いてもらいたいものです。


Steve MacKenzie / vocals, 2nd lead guitar
Raymond Simenauer / vocals, lead guitar
Brad Murray / bass, harmony vocals
Alan Blackburn / organ, synthesizer, mellotron
Rick Mercer / drums, percussion

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 音楽ネタを中心とした雑記帳です。

 60年代後半から70年代にかけてのワールドワイドなロック、ポップス、プログレ、アシッド、サイケ、フォーク、ジャズロック、ジャズなどの話題を主に、ひっそりメモってます。

 それぞれの記事はその時々のフィーリングで書いていますが、基本形はある曲をきっかけに感じた雑感が題材になっています。

 私は単なる音楽愛好家ですので、記事に関しては、思い込みや勘違いがたっぷりあることかと思います。その点はご容赦願います。もし、お気づきの点があれば、ご指摘下さい。

 個人的に思い入れのあるものを主に綴っていますので、マイナーかつ気まぐれなセレクション、お許し下さい。

 それでは、今宵の音楽夜話におつきあい下さい。

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