第18話 Flibbertigibbet 『Whistling Jigs To The Moon 』 (1977) South Africa

今夜の一曲 Mariner Blues


frib.jpg


 うわっ。アリソン・ウィリアムスだ! 儚い、かげろうのようなアリソンのゆかしい歌唱が流れてきた瞬間、私の意識が飛んだ。「マリナー・ブルース」一曲だけで致死量いってますね。

 メロウ・キャンドルのアリソン(Alison Williams)とデヴィッド(David Williams)のカップルはヨハネスブルグで出会ったジョアンナ(Joanna Dudding)、バリー(Barrie Glenn)組とバンド活動を始めます。グループ名のFlibbertigibbetは「ちょっとお馬鹿でおしゃべりな女」ってところでしょうか。

 フリバーティジベット(Flibbertigibbet)はギグやTV・ラジオへの出演など、精力的に活動しましたが、1979年、ジョーとバリーの結婚に伴う脱退でメンバーの補充を余儀なくされます。ジョー&バリーはカナダへ。フリバーティジベットは1986年まで南アフリカやボツワナでひっそりと活動を続けたようです。


frib2.jpg


 彼らの唯一作はコレクターでさえ、長きにわたってその存在が知られていませんでした。ヨハネスブルグのスタジオでひっそりと録音され(EMCEE Studios in Hillbrow, Johannesburg)、謎のStanyan Recordsから南アフリカのみリリースされました。

 しかし、リリース枚数は200 Copiesとされてますから、オリジナル盤は激レアですね。試しにeBay覗いてみると、2007年のオークションでしたが、落札価格は$606(\62,451)でした。

 Kissing Spell(英国)が1996年に秘密のヴェールを剥ぎ、Flibbertigibbetの存在を世に知らしめました。Si-Wan(韓国)の再発と合わせて、一気に数千枚が売れたというからびっくりです。

 オリジナル盤のクレジットにはThe Incredible String BandのRobin Williamsonへの謝辞が述べられていますが、アルバムのゲスト・ミュージシャンの名前には該当はありませんでした。

 アルバム全体のサウンドはメロウ・キャンドルのようなプログ・フォーク色は薄く、もっとアイリッシュ・トラッド寄りのサウンドとなっています。革新性もプログレ感もないアルバムですが、アフリカの南半球にありながら、ケルティック・ルーツを見直したような感覚が不思議に暖かく感じます。

 さて、「マリナー・ブルース」(Mariner Blues)。この曲のクレジットはソニー・コンデル(Sonny Condell)です。ソニーがレオ・オケリー(Leo O'Kelly)と組んだのがTir na nOgでした。

 その同名デビュー作『Tir na nOg』(1971年)のA②のカバーが「マリナー・ブルース」というわけです。グループ名に関しては、ティア(ティル)・ナ・ノグ(ノーグ)など、色んな表記があって混乱します。いずれも英語式の発音に準じた表記と言えそうです。でも、生粋のアイルランド人の発音を聞いていると、三人のうち二人がチア・ナ・ノーグって言ってました。

 「マリナー・ブルース」。私のお気に入りです。ケープ・ポイントから南太平洋と南極海とインド洋を見渡すイメージではなく、目を閉じて浮かび来るのは、アイリッシュ海の陰りのある情景です。

 『Whistling Jigs To The Moon』。AssieもDaveも、よくぞこの得がたい至宝を残してくれたものです。奇跡というのは起こるものなんですね。ああ、私の人生にも奇跡が起こってくれないかなぁ。


Alison O'Donnell / vocals
Dave Williams / guitar, vocals
Jo Dudding / vocals
Barrie Glenn / guitarist
Denis Lalouette / bass

スポンサーサイト

テーマ : プログレ
ジャンル : 音楽

コメントの投稿

非公開コメント

ゲスト・ブック
Profile

ticca

Author:ticca
 音楽ネタを中心とした雑記帳です。

 60年代後半から70年代にかけてのワールドワイドなロック、ポップス、プログレ、アシッド、サイケ、フォーク、ジャズロック、ジャズなどの話題を主に、ひっそりメモってます。

 それぞれの記事はその時々のフィーリングで書いていますが、基本形はある曲をきっかけに感じた雑感が題材になっています。

 私は単なる音楽愛好家ですので、記事に関しては、思い込みや勘違いがたっぷりあることかと思います。その点はご容赦願います。もし、お気づきの点があれば、ご指摘下さい。

 個人的に思い入れのあるものを主に綴っていますので、マイナーかつ気まぐれなセレクション、お許し下さい。

 それでは、今宵の音楽夜話におつきあい下さい。

カレンダー
06 | 2017/07 | 08
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -
カテゴリ
最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
最新トラックバック
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR