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第33話  Hugh Hopper 『Hopper Tunity Box』  (1977)  UK

今夜の一曲  Gnat Prong

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 ヒュー・ホッパー(Hugh Hopper)の2ndソロは、ソフト・マシーン脱退後にリリースされました。エルトン・ディーン(Elton Dean)やデイブ・スチュワート(Dave Stewart)らの豪華サポート陣を得て、カンタベリー臭の強い、躍動感溢れる演奏を繰り広げています。

 ロンドンのモービル・スタジオにて収録。ファズ・ベースをぶいぶい言わせたり、テープ・ループを操作したり、テープを倍速再生したりする隣では、イエスがツアー・リハーサルに昂じ、スティーブ・ハウ(Steve Howe)も覗きに来たそうです。

 今回取り上げた「Gnat Prong」は、1977年リリースの『ホッパー・チュニティ・ボックス』(Hopper Tunity Box)収録曲です。

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 それにしても、"Tunity Box"とは何なのか・・・これがかなり苦になっていました。そもそも"Tunity"なんて単語は存在しないんです。残念ながら、この謎を解いてくれる手がかりが見つかりませんでした。それが、ひょんな事から突然・・・。それもビートルズのおかげでした。

 1965年8月1日、ビートルズは『HELP!』のプロモーションのため、たった一度だけ本国イギリスでTVに出演しています。会場はイングランド北西部、ブラックプールのABC Theatre。そのコンサートは、ABCテレビ(Associated British Cinemas)で『Blackpool Night Out』 Showとして放映されました。

 このビデオは見所満載です。ジョン・レノン(John Lennon)の絵になるオルガン・プレイ、"Shut Up! I'll kill you". 発言、英国のTVで初めて「Yesterday」が披露された歴史的瞬間など。私のようなビートルズ・マニアにとっては一押しの動画です。しかし、一つ一つコメントしていると本筋から外れてしまうので、ここは我慢、我慢。

 問題の箇所は、ジョージ・ハリスン(George Harrison)が、ポール・マッカートニー(Paul McCartney)の歌う「Yesterday」を紹介する時のMCです。ジョージは "For Paul McCartney of Liverpool, Opportunity Knocks!" (10'21")なんて言っているじゃないですか!ちなみにこれ、コンピ盤『Anthology 2』にも収録されています。



 実は『Opportunity Knocks』という、英国では絶大な人気を誇った長寿番組がありました。いわゆるタレント・ショーです。"When opportunity knocks, answer the door". という事で「チャンスを逃すな!」って意味です。ジョージもきっと、この国民的番組のファンだったんでしょう。この番組名をパロって、ポールの新曲を紹介したわけです。

 2009年4月。スーザン・ボイル(Susan Boyle)が『Britain's Got Talent』というタレント・コンテストで『レ・ミゼラブル』(Les Misérables)の挿入歌「夢やぶれて」(I Dreamed a Dream)を歌い、見事合格を勝ち得ました。彼女は「奇跡の歌姫」とまで呼ばれ、日本でも同年の『第60回紅白歌合戦』にも出演しちゃいました。

 このオーディション番組『Britain's Got Talent』の元ネタが、実は大ヒット番組『Opportunity Knocks』だったんです。

 この番組を愛聴していたのは、ジョージ・ハリスンだけではありません。我らがヒュー・ホッパーも例外ではなさそうです。「おぱちゅにてぃ・のっくす」と「ほっぱちゅにてぃ・ぼっくす」をかけるなんて、私の脳みそではついていけません。これぞまさに英国流のユーモアなんでしょう。

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 <追記> このアルバムの最初のCDはアナログ起こしでした。2007年にようやくオリジナル・マスター・テープからリマスター。再発を機に、ヒューへのインタビューが行われています。以下は、そのインタビューを元に、訂正・加筆を加えたものです。

 まず、アルバム・タイトルについてですが、やはり同番組からのパロディだと語っています。ただし、彼は「60年代の英国に『Opportunity Knocks』という「ひどい(terrible)」番組があってね、それをもじったんだ」と言っています。ですから、ヒューは必ずしもこの番組を愛聴してたとは言えませんね。

 もう一点。加えて、アルバム・タイトルは"a box full of Hopper tunes" のかけ言葉であるとも語っています。ホッパーの曲が詰まった箱?「ほっぱちゅにてぃ・ぼっくす」と「ほっぱちゅーん・ぼっくす」の言葉遊びも込みってことですか。そんな理由で、デビッド・エース(David Ace)のカバー・デザインは「ボックス」をイメージしたものになったわけです。

 インタビューには、このアルバムがノルウェイのコンペンディウム(Compendium)からリリースされた理由についてのコメントもありました。

 インタビュアーが「英国のレーベルが興味を示さなかったからか」と質問したのに対し、「最初はアイソトープ(Isotope)が契約していたガル(Gull)に打診したんだけど、結論が出るまでに時間がかかったんだ。

 その間、ノルウェイでHopper, Dean, Tippett and Gallivanのレコーディングを進めていた。そしたら、コンペンディウムが『是非うちでリリースさせてくれ』と言った来た。後にガルも契約を望んだけど、既にコンペンディウムと契約を結んだあとだったからね。」と語っています。

 やはり、本人が語ってくれた方がすっきりしますね(笑)。

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Hugh Hopper / bass, percussion, guitar, saxophone (Soprano)
Dave Stewart / organ, pianet, oscillators
Mike Travis / drums

Frank Roberts / piano
Nigel Morris / drums
Richard Brunton / guitar
Gary Windo / clarinet (bass), saxophone
Marc Charig / cornet, horn (Tenor)
Elton Dean / saxophone, saxophone (Alto)



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 音楽ネタを中心とした雑記帳です。

 60年代後半から70年代にかけてのワールドワイドなロック、ポップス、プログレ、アシッド、サイケ、フォーク、ジャズロック、ジャズなどの話題を主に、ひっそりメモってます。

 それぞれの記事はその時々のフィーリングで書いていますが、基本形はある曲をきっかけに感じた雑感が題材になっています。

 私は単なる音楽愛好家ですので、記事に関しては、思い込みや勘違いがたっぷりあることかと思います。その点はご容赦願います。もし、お気づきの点があれば、ご指摘下さい。

 個人的に思い入れのあるものを主に綴っていますので、マイナーかつ気まぐれなセレクション、お許し下さい。

 それでは、今宵の音楽夜話におつきあい下さい。

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