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第37話  Soft Machine 『Volume Two』 (1969) UK

今夜の一曲  Dedicated To You But You Weren't Listening
      <その1>ロバート・ワイアット & ヒュー・ホッパー編

    


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 ソフト・マシーンのセカンド・アルバム『VOLUME TWO』に収められた小品。ヒュー・ホッパー(g)とロバート・ワイアット(vo)二人だけのシンプルな編成が新鮮。

 『VOLUME TWO』の作詞は全てロバートのペンになるのだが、唯一この曲だけはヒューが作詞を担当しているようだ。曲想は内省的で、ヒューの心象風景を映して興味深いものの、正直なところ難解で、その真意を測りかねる。

 一説によると、この曲はジョン・コルトレーン(John Coltrane)とジョニー・ハートマン(Johnny Hartman)が、インパルス(Impulse! Records)に残した「Dedicated to you」(1963)にインスパイヤされた・・・とも言われるが、果たしてあの美しいラヴ・バラードと、どんな関連があるのかないのか、私には全く自信がない。

 『VOLUME TWO』はアルバムの両面に渡って切れ目なく曲が進行していく。基本的にはアルバムの両面にフィーチャーされる長尺の組曲に載せて、様々なテーマが浮かんでは消えていく。


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 サウンド的にはポップ・サイケデリアからロック、ジャズ、アヴァンギャルドが雑多に入り乱れて正体不明な魅力に満ちている。

 このあたりは「ネオ・ダダ」などとレッテルを貼るよりも、ザッパ(Frank Zappa)の『アブソルートリー・フリー』(Absolutely Free)から影響を受けた、というのが真相かも知れない。実際、大曲をいくつかの細かいパートに分割してクレジットする、という発想はザッパの助言だったと言われる。

 そうすればレコード会社からの印税収入が増える、という単純な理由らしい。ミュージシャンには音楽的理想を追うだけでなく、「音楽」というビジネスを安定させるという至上のテーマがある。コルトレーンだって『John Coltrane & Johnny Hartman』(1963)を録音したのは、レコードの売り上げ収入が欲しかったからだ。

 オリジナリティ満載のソフト・マシーンの『VOLUME TWO』だが、本作には様々な音楽的影響が見え隠れしている。時代の空気を敏感に反映してユニークそのもの。

 それにしても、ソフト・マシーンというバンド、その怒濤のような創造力は、単なるカレッジ・バンドの技量を遙かに超越していて息を呑む。

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<追記> マイケル・キング (Michael King) の著作 『Wrong Movements - A Robert Wyatt History』 によると、マイク・ラトリッジ(Mike Ratridge)はちょっと違う証言をしている。

 彼の記憶によると、「おかしなことにレコード会社は、長い曲は小さなテーマ毎にタイトルをつけるように言ってきた。一つの長い曲として聞こえるのに。それで俺たちはいちいち、あのどうでもいいようなタイトルをつけなければならなかった。」

 ワイアットもホッパーもラトリッジも、結構おもしろがって、あの曲名をつけたとばかり思っていたのですが・・・もっとも、これはあくまでもラトリッジの見解ですけれど・・・。



Robert Wyatt / Vocal
Hugh Hopper / Guitar


<その2> ロバート・ワイアットのソロ編へ
<その3> キース・ティペット・グループ編へ
<その4> マッチング・モール編へ

<第64話 Soft Machine 『Live At The Paradiso 1969』 Have You Ever Bean Green? へ>
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 音楽ネタを中心とした雑記帳です。

 60年代後半から70年代にかけてのワールドワイドなロック、ポップス、プログレ、アシッド、サイケ、フォーク、ジャズロック、ジャズなどの話題を主に、ひっそりメモってます。

 それぞれの記事はその時々のフィーリングで書いていますが、基本形はある曲をきっかけに感じた雑感が題材になっています。

 私は単なる音楽愛好家ですので、記事に関しては、思い込みや勘違いがたっぷりあることかと思います。その点はご容赦願います。もし、お気づきの点があれば、ご指摘下さい。

 個人的に思い入れのあるものを主に綴っていますので、マイナーかつ気まぐれなセレクション、お許し下さい。

 それでは、今宵の音楽夜話におつきあい下さい。

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