第54話  Gino D'Eliso 『Il Mare(海の詞)』 (1976) Italy

今夜の一曲  Non E' Solo Musica


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 イタリアン・ロックの全貌がほぼ解明されてから、コレクターの関心は、プログレの影響下にあるカンタウトーレたちの隠された名盤探しへと向かいました。

 私はコレクターではありませんが、かなり苦労して輸入盤を手に入れただけに、思い入れは深いものがあります。無作為にあげてみても、Franco Maria Giannini『Afresco』(1974)、Amedeo Minghi『same』(1973)、Mario Barbaja『Megh』(1972)、Gian Pieretti『Le Vestito Rosa Del Mio Amico』(1973)、Ninni Carucci『Il Buio La Rabbia Domani』(1973)、Paolo Frescura『same』(1978)、Gianni D'Errico『Antico Teatro Da Camera』(1975) などなど、枚挙にいとまがありません。

 ジーノ・デリーソ(Gino D'Eliso)は、エジソンの1990年再発によって公式に日本で紹介されました。邦題『海の詞(ことば)』。センシティヴなヴォーカルが、飛翔感のある繊細でドリーミーな演奏に乗って駆け巡る展開。ムーグやアコギ、フルートがひたすら美しい。


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 時折見せる地中海音楽的な要素が印象的。こうした素養は民族のDNAに刷り込まれているのか、PFMやイル・ヴォーロ(Il Volo)、アンジェロ・ブランデュアルディ(Angelo Branduardi)、ファブリツィオ・デ・アンドレ(Fabrizio De Andrè )らの曲を聴いても色濃く感じる事があります。

 本作のプロデュースは、アルバム中でフルートやサックス、キーボードを披露するクラウディオ・パスコリ(Claudio Pascoli)ですが、パンゲア(Pangea)と違って、さらに全面に出ています。パスコリのキャリアと言えば、PFMの『パスパルトゥ』(Passpartù)も忘れてはいけません。

 ジーノは学生時代には哲学や応用心理学を志し、イタリアのスロヴェニアン・マイノリティのための放送局(RTV Capodistria)でディレクターを務めながら、音楽の才能を活かしてミュージシャンとしての活動を開始しました。


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 残念ながら、セカンド以降はポップ化が進行します。やはり、1976~77年前後はいわゆるプログレにとって、一つのターニング・ポイントだったようです。ジーノの作風は、時代の波に揉まれて、Funk、Disco、New Wave、Electro Pop...と、ありとあらゆる音楽スタイルを吸収していきます。

 それでも、ジーノをバックアップするミュージシャンたちはそうそうたる実力者。セカンド『Ti Ricordi Vienna?』(1977)(RCA)では、元レアーレ・アッカデミア・ディ・ムジカ(Reale Accademia Di Musica)のフェデリコ・トロイアーニ(Federico Troiani)がキーボードでサポートしています。

 サードの『Santi & Eroi』(1979)には、ヴァイオリンにルチオ・ファッブリ(Lucio "Violino" Fabbri)(PFM)、ベースにボブ・カッレロ(Bob Callero)(Osage Tribe, Duello Madre, Il Volo) と、パオロ・ドンナルンマ(Paolo Donnarumma)(Claudio Rocchi, Roberto Colombo, Gianna Nannini, Alice, Mina)、 サックスにクラウディオ・パスコリ(Claudio Pascoli)(Pangea, PFM)らがバックアップ。

 ジーノ・デリーソはルチオ・バッティスティ(Lucio Battisti)のヌメロ・ウーノ(Numero Uno)からのリリースだったので、早くからその存在は耳にしてましたが、さすがに入手困難でしたね。友人などは、大枚はたいて買った直後にエジソンのリリースがあってショックを受けたと言ってました(笑)。


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Gino D'Eliso / vocals, acoustic guitar, keyboards
Claudio Pascoli / flute, sax, keyboards
Fulvio Zafret / drums, percussion
Paolo Donnarumma / bass
Goran Tavcar / electric guitar
Dario Capello / bass on "Il mare"
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テーマ : プログレ
ジャンル : 音楽

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 音楽ネタを中心とした雑記帳です。

 60年代後半から70年代にかけてのワールドワイドなロック、ポップス、プログレ、アシッド、サイケ、フォーク、ジャズロック、ジャズなどの話題を主に、ひっそりメモってます。

 それぞれの記事はその時々のフィーリングで書いていますが、基本形はある曲をきっかけに感じた雑感が題材になっています。

 私は単なる音楽愛好家ですので、記事に関しては、思い込みや勘違いがたっぷりあることかと思います。その点はご容赦願います。もし、お気づきの点があれば、ご指摘下さい。

 個人的に思い入れのあるものを主に綴っていますので、マイナーかつ気まぐれなセレクション、お許し下さい。

 それでは、今宵の音楽夜話におつきあい下さい。

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