第67話  Marisa Monte 『私のまわりの宇宙』 (Universo Ao Meu Redor) (2006) U.S.

今夜の一曲 「3つの小さな文字」 Tres Letrinhas


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 2008年8月24日、北京五輪の閉会式。ジミー・ペイジ(Jimmy Page)とレオナ・ルイス(Leona Lewis)が「胸いっぱいの愛を」(Whole Lotta Love)を歌い、いよいよロンドン五輪への期待が高まりました。

 オリンピックの閉会式には、スポーツの祭典ムードを盛り上げるため、次の開催国を代表するアーチストやミュージシャンが招待されます。

 2012年8月12日、ロンドン五輪の閉会式。次回五輪の開催地、リオデジャネイロ紹介のセクションに大きな喝采の花が咲きました。2012年ロンドン大会から2016年リオ大会へのバトンタッチ(Handover)を華々しく、というわけです。

 ステージを盛り立てた一人が、我がマリーザ・モンチ!彼女が歌ったのは「Bachianas Brasileiras(ブラジル風バッハ)」でした。そう考えると、マリーザ・モンチは名実ともに、ブラジリアン・コンテンポラリーを代表するディーバになったという感があります。


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 余談ですが、ロンドン五輪のオープニングにポール・マッカートニー(Paul McCartney)が「ヘイ・ジュード」で花を添え、会場は興奮の渦でした。開会式だけでなく、閉会式にも英国を代表するミュージシャンが続々登場。ブライアン・メイ(Brian May)やロジャー・テイラー(Roger Taylor)、ジョージ・マイケル(George Michael)などなど、見所満載でした。

 主催者側が、ケイト・ブッシュ(Kate Bush)やローリング・ストーンズ(Rolling Stones)にオファーを蹴られただの、レッド・ツェッペリン(Led Zeppelin)、エルトン・ジョン(Elton John)、デヴィッド・ボウイ(David Bowie)はどうしたんだ? だの、色んな憶測が流れましたね。

 ちなみに閉会式の大トリが誰だったか覚えていますか?最大の栄誉に選ばれたのはザ・フー(The Who)!
「Baba O'Riley」~「See Me, Feel Me」~「My Generation」のショート・メドレーに涙した人もいたのでは・・・!?


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 さてさて、マリーザ・モンチです。彼女はオペラの勉強をするために、19歳でイタリアに渡ります。ところが、マリア・カラス(Maria Callas)を目指していた彼女の心にさざ波が立ちました。自分の体に流れるブラジル人の血に気づいたとでも言うべきでしょうか。MPB(ブラジリアン・ポップ・ミュージック)に目覚めた彼女を見そめてEMIとの契約が成立します。

 マリーザの音楽性の懐の深さは、ライブ盤デビュー作『MM』(1989)の選曲にも、よく表れています。アルナウド・アントゥネス(Arnaldo Antunes)をオープニングに選び、ピノ・ダニエーレ(Pino Daniele)、オス・ムタンチス(Os Mutantes)、ジョージ・ガーシュウィン(George Gershwin)、マーヴィン・ゲイ(Marvin Gaye)、ルー・リード(Lou Reed)。アルバムはいきなりブラジリアン・ホット100でNo.1を獲得します。

 彼女のセカンド・アルバム『マイス』(Mais)(1991)は、アート・リンゼイ(Arto Lindsay)がプロデュースを快諾します。ローリー・アンダーソン(Laurie Anderson)、やジョン・ゾーン(John Zorn)、デヴィッド・バーン(David Byrne)、坂本龍一との共演も話題になりました。


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 グラミー賞歌手としてだけでなく、作曲・プロデュースと、まさに才気走る女性。今ではブラジリアン・ポップス(MPB)のみならず、マンギ・ビート(Mangue Beat)を取り入れたり、古典に新しい解釈を加えたりと、八面六臂の活躍ぶりです。

 今夜の一曲「3つの小さな文字」(Tres Letrinhas)は『私のまわりの宇宙』(Universo Ao Meu Redor)(2006)の収録曲です。同時発売の『私の中の無限』(Infinito Particular)(2006)のアレンジには、フィリップ・グラス(Philip Glass)、エウミール・デオダート(Eumir Deodato)、ジョアン・ドナート(Joao Donato)が絡んでいます。

 2011年には5年ぶりの新作『あなたが本当に知りたいこと』(O Que Voce Quer Saber De Verdade)(2011)をリリ-スして、ファンを(そして私を)喜ばせました。

 振り返れば、彼女はこれ迄二度来日の経歴があります。初来日の1992年は『マイス』のリリースに合わせたワールド・ツアーで東京、名古屋、大阪。20007年は『私のまわりの宇宙』のリリースに合わせたツアーの一環で、東京と名古屋。今更ながら行けば良かったと後悔しまくり。地元開催だったのにぃ(涙;)

 ということで、三度目の来日を願いつつ・・・(笑)





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 さて、次回の音楽夜話は、ブラジルから北欧、ノルウェイへと旅を続けましょうか。 
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No title

こんにちは。
ロンドン五輪は開会式も閉会式も断片的にしか見てなくて、マイーザ・モンチが出てたの、知りませんでした。
彼女は90年代のワールドミュージックブームの頃に知ったのですが、確かアート・リンゼイが絡んでいたような?ウロ覚えですが、、。お国を代表する大御所になっていたのですね。
ちなみに私がロンドン五輪で印象深かったのは、マイク・オールドフィールドでした。

マイク・オールドフィールド

> 彼女は90年代のワールドミュージックブームの頃に知ったのですが、確かアート・リンゼイが絡んでいたような?ウロ覚えですが、、。お国を代表する大御所になっていたのですね。

よくご存知ですね。マリーザのたっての希望で、アートにプロデュースの依頼をしたそうです。アートは躊躇せずオファーを受け入れたそうで、マリーザにとっても、アートの人脈とのコネクションを得るいい機会にそうです。

> ちなみに私がロンドン五輪で印象深かったのは、マイク・オールドフィールドでした。

開会式ですね。動画、教えてくれてありがとう。思わず、浸ってしまいました。
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 60年代後半から70年代にかけてのワールドワイドなロック、ポップス、プログレ、アシッド、サイケ、フォーク、ジャズロック、ジャズなどの話題を主に、ひっそりメモってます。

 それぞれの記事はその時々のフィーリングで書いていますが、基本形はある曲をきっかけに感じた雑感が題材になっています。

 私は単なる音楽愛好家ですので、記事に関しては、思い込みや勘違いがたっぷりあることかと思います。その点はご容赦願います。もし、お気づきの点があれば、ご指摘下さい。

 個人的に思い入れのあるものを主に綴っていますので、マイナーかつ気まぐれなセレクション、お許し下さい。

 それでは、今宵の音楽夜話におつきあい下さい。

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