第68話  Terje Rypdal 『Bleak House』(1968) Norway

今夜の一曲 Dead Man's Tale


Bleak House


 ECMのイメージの強いテリエ・リピダルですが、彼の原点の一つをここに見たり、という感じ。1968年の1stソロ『ブリーク・ハウス』(Bleak House)は北欧ジャズ・ロックの重要作。

 核心は、その枠からはみ出たようなオープニング曲「Dead Man's Tale」!こいつがまた、震っちゃう。テリエのギター、フルート、ヴォーカルも味があるけど、クリスチャン・レイム(Christian Reim)のオルガンも言うことなし! と、早くも無駄にミーハーぶりを発揮する私。

 北欧独特のクールな音空間の支配する後年のアルバム群と違って、本作はまだ当時の空気を映して、新しき時代への胎動を感じさせます。整理のつかない混沌があまりにエロティック。このあたりは文章になりにくい部分なので、表現に逡巡するところ・・・そう言って文章力の無さをゴマかす私がここにいる(汗;)


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 テリエはマルチ・インストルメンタリストだったんですねぇ。幼少からピアノ、トランペットには親しんで来たようですが、最終的に彼が選んだのはギター。しかも、独学。才能ある人がうらやましいぜっ。

 もともと彼は、ザ・シャドウズ((The Shadows)や、ザ・ベンチャーズ(The Ventures)目指してましたが、ジミ・ヘンドリックス(Jimi Hendrix)に衝撃を受け、スタイルを一変させます。それが形になったのがサイケ・ロック・バンドのドリームズ(Dreams)『Get Dreamy』(1967)。Yeah ! Go! Go! フラワー・チルドレン! ・・・おいおい、大丈夫か、君ぃ。

 1968年には、クラーク/キューブリック(Arthur Charles Clarke / Stanley Kubrick)の『2001年宇宙の旅』(2001: A Space Odyssey)の影響を受け、1stソロの作成に入る。これが本作で、盟友ヤン・ガルバレク(Jan Garbarek)の協力も得ています。ロック、ジャズ、クラシックの影響下に作られた本作ですが、そのオープニングがこの恐ろしげな逸品。

 これが何とも言えないマイナー・キー・ブルースなんですが、テリエでないと作れない、北欧独特の透明感のある、透徹したゆらぎ感に満ちているのです。

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 後にテリエは「自身をジャズ・ギタリストだと思いますか?」というインタビューに答え、「No !」と即答しています。そうは言っても、彼はマイルス・デイヴィス(Miles Davis)の『ビッチェス・ブリュー』(Bitches Brew)や、ウェザー・リポート(Weather Report)、マハビシュヌ・オーケストラ(The Mahavishnu Orchestra)の影響を多分に認めていて、目一杯、ジャズのシャワーは浴びていたようです。

 ジョン・コルトレーン(John Coltrane)の『メディテーション』(Meditations)(1966)(Pharoah Sanders とRashied Aliも参加)も好んで聞いたって言うし。後年、ミロスラフ・ビトウス(Mirosrav Vitouš)や、ジャック・ディジョネット(Jack DeJohnette)との共作もリリースし、創作意欲もフル・スロットル状態。『Rypdal, Vitous, DeJohnette』(1979)

 個人的には彼がプロデュースしたノルウェイのルーファス(Ruphus)の『Let Your Light Shine』(1976)も外せないところです。


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 ネット動画にはテリエがジョン・マクラフリン(John McLaughlin)の「Devotion」を演奏しているものがある、とNさんに教わりました。さっそく聞いてみると、Devotionは曲の後半ですね。テリエとの絶妙のコラボで知られるスヴァイヌン・ホヴェンショ(Sveinung Hovensjø) のベースも面白い。フェンダーの6弦ベースかぁ!素直に感動シマス。(Terje Rypdal Trio French TV 1973)

 動画はどうやらina.frで放映されたもの。さすが、INA!(フランス国立視聴覚研究所)。フランスの全ラジオ、テレビの視聴覚アーカイヴの宝庫と言われるだけあって、メジャーからサブカルまで何でもありってのが、ちょいと嬉しかったりする。

 試しに検索してみると、Ina公式チャンネルってのがヒットした。DVDのトレーラ(予告編)ばかりかな、って眉にツバつけたけど、とあるプレイリストが目に留まる。これは面白そう。手始めにエディット・ピアフ(Édith Piaf)の「ラ・ヴィ・アン・ローズ(ばら色の人生)」(La Vie En Rose)を聞いてみた。浸っちゃいますね~。大人だなぁ、わたしも。

 お次は、ミシェル・ベルジェ(Michel Berger)とフランス・ギャル(France Gall)夫妻のデュエット曲「Ca balance pas mal à Paris」を聞いてみよっと。やっぱ、俺ってミーハーだね。


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Terje Rypdal – flute, guitar, vocals
Christian Reim – organ, piano
Terje Venaas – bass
Jon Christensen – drums
Tom Karlsen – drums
Ditlef Eckhoff – trumpet
Kåre Furuholmen – trumpet
Jarl Johansen – trumpet
Kjell Haugen – trombone
Tore Nilsen – trombone
Øivind Westbye - trombone
Frode Thingnæs – trombone, tuba
Hans Knudsen – baritone saxophone
Calle Neumann – alto saxophone, flute
Jan Garbarek – tenor saxophone, fute, bells
Knut Riisnæs – tenor saxophone
Odd Ulleberg – french horn
Frøydis Ree Hauge – french horn





 次回は再び、イタリアものです。ティート・スキーパ・ジュニアの『Io Ed Io Solo』(1974)をメランコリックに聞いてみたいと思います。
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 音楽ネタを中心とした雑記帳です。

 60年代後半から70年代にかけてのワールドワイドなロック、ポップス、プログレ、アシッド、サイケ、フォーク、ジャズロック、ジャズなどの話題を主に、ひっそりメモってます。

 それぞれの記事はその時々のフィーリングで書いていますが、基本形はある曲をきっかけに感じた雑感が題材になっています。

 私は単なる音楽愛好家ですので、記事に関しては、思い込みや勘違いがたっぷりあることかと思います。その点はご容赦願います。もし、お気づきの点があれば、ご指摘下さい。

 個人的に思い入れのあるものを主に綴っていますので、マイナーかつ気まぐれなセレクション、お許し下さい。

 それでは、今宵の音楽夜話におつきあい下さい。

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