第7話 Weather Report 『Weather Report』 (1971) US

今夜の一曲 Umbrellas


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 Miles Davis の転換期を支えた Shorter と Zawinul 率いるWRの1st。アンビエントな MilkyWay に続いてこの曲が始まると総毛立つ。

当時、Zawinul は38歳、Shorter は37歳。豊富なキャリアを背景に、持てるイディオムとセンスを総動員して作り上げたデビュー作 『ウェザー・リポート』。Vitous23歳やMouson22歳も、単なるサポート陣ではなく、圧倒的な存在感を見せつける。事実、この曲「アンブレラ」も Vitous 作曲である。

 ザヴィヌルもショーターもマイルス・デイビスのグループにとっては中核をなすブレーンだった。マイルスはショーターの作曲能力にぞっこんだったし、ザヴィヌルはマイルスにエレピの導入を持ちかけるなど、ジャズの行く末を見据えつつ、革新的な発想の持ち主だった。

 ザヴィヌルとショーターがキャノンボール・アダレイやマイルスのコンボで吸収したことを元手に、思う存分新しいジャズの分野へと切り込んだ歴史的名盤。何かが起こりそう・・・という高揚感の一歩手前のわくわく感。それが私の脳みそをバリバリに覚醒させるからヤバい。

 二人が参加したマイルスの「In A Silent Way」や「Bitches Brew」のDNAを受け継ぎながら、音の響きや間合いを大切にした独自な音宇宙。抽象と具象を行ったり来たりしながら綴っていく音響は、不思議な肌触り。エレピやリングモジュレータが絡んだ音作りは時代も感じるが、それも楽しい。

 この曲はロックのビートに歪んだベースが絡む中、フェンダー・ローズとアコピを同時に響かせるなど、パンチの効いた音に仕上がっている。ザヴィヌルが言うように、母子が傘に入って雨を避けて走り逃げる情景にはとても思えないが、自分の想像力を羽ばたかせて、ひたすら聞き込むにつれ、私のエンドルフィンは洪水状態である。

 これでは、常人としてまともな生活は送れそうにない。やれやれ。

Joe Zawinul / Electric and acoustic piano
Wayne Shorter / Soprano saxophone
Miroslav Vitouš / Electric and acoustic bass
Alphonse Mouzon / Drums, voice
Airto Moreira / Percussion








 
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 音楽ネタを中心とした雑記帳です。

 60年代後半から70年代にかけてのワールドワイドなロック、ポップス、プログレ、アシッド、サイケ、フォーク、ジャズロック、ジャズなどの話題を主に、ひっそりメモってます。

 それぞれの記事はその時々のフィーリングで書いていますが、基本形はある曲をきっかけに感じた雑感が題材になっています。

 私は単なる音楽愛好家ですので、記事に関しては、思い込みや勘違いがたっぷりあることかと思います。その点はご容赦願います。もし、お気づきの点があれば、ご指摘下さい。

 個人的に思い入れのあるものを主に綴っていますので、マイナーかつ気まぐれなセレクション、お許し下さい。

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