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第8話 Fields 『Fields』 (1971)  UK

<strong>今夜の一曲 A Friend Of Mine


fields


 このジャケットとA①のオープニング曲が、彼らの魅力のすべてを語っています。クラシカルなオルガンの響きは、バッハやメンデルスゾーンのプレリュードとフーガあたりからの着想でしょうか。それが三位一体のアンサンブルとなってダイナミックに舞い上がると、一気にあの時代へとタイム・トリップしてしまいます。

 ギター入りながら、キーボード主導のトリオという編成から、よくEL&Pが引き合いに出されます。けれども、彼らのルーツはむしろプロコル・ハルムにありそうです。

 ジャケット・デザインから攻撃的なサウンドをイメージしがちですが、中味は良質のメロディック・プログ。当時のシーンの中では Rare Bird から Greenslade への橋渡しとなる重要作品です。

 それでも、グラハム・フィールドへの後年のインタビューによると、アルバムのリリースにこぎつけるだけでも必死だったと言います。業界への新参者ではない彼らにしてさえ、激動のロック界の潮流に乗るには、相当な個性と魅力が要求されたのでしょう。

 そうした意味では猛禽になりきれずに、哀れな野ウサギのように冷徹なシーンの犠牲者になってしまった無情を実感させられます。良質な音楽だけでは駄目なのです。他者と差別化を図る戦略を見失ったバンドには、厳しい結末がついてきます。CBSはバンドに対して冷酷でした。これが解散へとつながります。

 それでは、各メンバーにスポットライトを当ててみましょう。グラハム・フィールドはレア・バードの創設メンバー。しかし、フィールズ以降は、さしたる情報も伝わってきません。

 アラン・バリーはキング・クリムゾンのジャイルス兄弟がプロ・デビューする前、ダウランズ(The Dowlands)で共に活動した経歴があります。1962年のことでした。その後もコンスタントに活動を続け、同じくクリムゾン人脈のゴードン・ハスケルの「陰陽」をテーマにしたセカンド・ソロ 「It Is And It Isn't」(1971年)でもギターをプレイしています。フィールズ解散後は、セッションマン活動に身を投じます。

 アンディ・マカロックは、シャイ・リムズ(グレッグ・レイク在籍)やアーサー・ブラウンとの活動を経て、1970年マンフレッド・マンのチャプター3(Vol.2)に参加、同年4月にはマイケル・ジャイルズ脱退後のタイミングでキング・クリムゾンにジョイント。

 しかし、1970年11月リリースの『リザード』一枚を残しただけで、同年11月のハスケルの脱退に帯同してマカロックも退団。その後、フィールズに参加して唯一作を翌1971年にリリースしました。しかし、バンド解散後の1972年晩秋、グリーンスレイドへと活動の場を移します。

 マカロックはグループ最終作『Time And Tide』(1975)まで在籍しましたが、解散後の1976年以降の活動としては、アンソニー・フィリップスとの活動や、ロンドン・フィルの『Opus One』(1980年)でのプレイが伝えられています。

 しかし、その後は完全に音楽シーンからは姿を消してしまいます。伝えられているところによると、彼はヨットマンとなってセーリングを楽しんだり、ヨットのインストラクターとして活動しているようです。マカロックの新たなステージは洋上に場所を移しました。ギリシャ・トルコ・キプロス・イタリア・フランス・スペイン・レバノン・アンティグア(カリブ海)での活躍が伝えられています(Wikipedia資料)。そんなわけで、グリーンスレイドの再編にも顔を出していないようです。

 卓越した技量を持つメンバーそれぞれが、最終的にはミュージック・ビズを離れて雲散霧消というのも、ジャケットそのもの弱肉強食が予言していたようでもの悲しいですね。この業界を生き抜くには、相当の出血を覚悟しないといけないことを身をもって示すことになったようです。

 だからこそ、この三人が一堂に会した『Fields』(1971/UK)は、英国ロック史の狭間で、ひときわ明るく輝いてみえるのでしょうか。

Graham Field / acoustic & electric pianos, organ
Alan Barry / vocals, classical & electric guitars, bass, Mellotron
Andy McCulloch / drums, tympani, talking drums

Guest:
Dafne Downs / clarinet






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 音楽ネタを中心とした雑記帳です。

 60年代後半から70年代にかけてのワールドワイドなロック、ポップス、プログレ、アシッド、サイケ、フォーク、ジャズロック、ジャズなどの話題を主に、ひっそりメモってます。

 それぞれの記事はその時々のフィーリングで書いていますが、基本形はある曲をきっかけに感じた雑感が題材になっています。

 私は単なる音楽愛好家ですので、記事に関しては、思い込みや勘違いがたっぷりあることかと思います。その点はご容赦願います。もし、お気づきの点があれば、ご指摘下さい。

 個人的に思い入れのあるものを主に綴っていますので、マイナーかつ気まぐれなセレクション、お許し下さい。

 それでは、今宵の音楽夜話におつきあい下さい。

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