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第90話  U.K. 『Danger Money』 (1979) U.K.

今夜の一曲 Rendezvous 6:02


90 (5)


◆以下の設問に答えよ◆

問題1;ロックのバンド編成にバイオリンが導入されるようになった背景は何か?
問題2;ロック界におけるバイオリンの巨匠(マエストロ)を挙げなさい。 
問題3;ロック界において、バイオリニストであることの長所は何か?
問題4;ロック界に初めてバイオリンを導入したのは誰か?
問題5;ロック史におけるイースト・オブ・エデンの業績を評価せよ。
(各20点 計100点)

 1979年6月、UKの初来日コンサートに、私は脳天を打ち抜かれた。彼らは既にトリオ編成になっていたにも関わらず、その圧倒的な音の洪水はダイナミックそのもの。三人の強烈なアンサンブルは無敵艦隊の勢い。中でもエディ・ジョブソンは、キーボードとバイオリンを持ち替え、聴衆へのアピール度は200%だった。

 彼は既に、カーヴド・エア(Curved Air)、ロキシー・ミュージック(Roxy Music)、マザーズ・オブ・インヴェンション(The Mothers of Invention)等におけるパフォーマンスで、その実力は実証済み。ライブで彼の奏でる奔流のような音はイマジナティヴで、存在感に満ちていた。同時にバイオリンの魅力を真の意味で体感したのも、これが初めてだった。

90 (2)


 実際に私が音楽メディア上(ようするにレコード)で初めてロック・バイオリニストに接したのは、デヴィッド・クロス(David Cross)、続いてダリル・ウェイ(Darryl Way)だった。その直後にエディ・ジョブソン(Eddie Jobson)の洗礼を受ける。

 何しろ私は、同時代的にロックを聞くラッキーを知らない世代。キング・クリムゾンの『太陽と戦慄』(Larks' Tongues In Aspic)(1973)も、UKの『憂国の四士』(UK)(1978)も、カーヴド・エアの『ファンタスマゴリア』(Phantasmagoria)(1972)も、ダリル・ウェイズ・ウルフの『サチュレーション・ポイント(飽和点)』(Saturation Point)(1973)も、ウェイのソロ作『コンサート・フォア・エレクトリック・バイオリン』(Concerto For Electric Violin)(1978)も、時系列を無視してほぼ同時に聞いている。

 ロック・バンドの楽器編成にバイオリンが含まれていない時代からロックを追っていれば、ロック・バイオリンの登場には、地動説が天動説にとって替わるような革命的な感慨もあったのかも(笑)。


90 (6)


 時間の前後の脈絡のないところでロック・バイオリンを聞いてきた私には、バイオリンの存在はあまりに自然。時間の軸でなく、個人や環境の必然とか偶然という、いわば運命的な出会いに頼っていたら、まともな評価はできませんね。

 思い返してみると、エディとダリルとクロスあたりが私にとっての「バイオリニスト御三家」だったのかもしれません。
※御三家;江戸時代、徳川将軍家を補佐する最有力の「尾張・紀伊・水戸」の三家 (>_<)

 やがて、多くのバイオリニストと赤い糸で結ばれます(笑)。マハヴィシュヌ・オーケストラ(The Mahavishnu Orchestra)のジェリー・グッドマン(Jerry Goodman)とジャン・リュック・ポンティ(Jean-Luc Ponty)。グッドマンとくれば、フロック(The Flock)を忘れてはいけません。


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 ヴァン・ダー・グラフ・ジェネレーター(Van Der Graaf Generator)の暗黒の沼に引きずり込まれたのはグレアム・スミス(Graham Smith)でした。スミスとくれば、ストリング・ドリヴン・シング(String Driven Thing)ですね。また、ジェントル・ジャイアント(Gentle Giant)を語るならレイ・シャルマン(Ray Shulman)。

 ホークウィンド(Hawkwind)のサイモン・ハウス(Simon House)という大御所を忘れたら百叩きの刑でしょう。彼なくしてハイ・タイド(High Tide)やサード・イヤー・バンド(Third Ear Band)は語れません。また、デヴィッド・ボウイ(David Bowie)の『Stage』(1978)『Lodger』(ロジャー・間借人)(1979)、ジャパン(Japan)の『Tin Drum』(錻力の太鼓)(1981)にも力を貸しています。

 スティーヴ・ハーレイ&コックニー・レベル(Steve Harley & Cockney Rebel)のオリジナル・メンバーにはジョン・クロッカー(John Crocker)が名を連ねています。彼の存在なくして「悲しみのセバスチャン(Sebastian)」「ジュディ・ティーン(Judy Teen)」「ミスター・ソフト(Mr. Soft)」「メイク・ミー・スマイル(Make Me Smile - Come Up and See Me)」のような名曲は生まれなかったでしょう。


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 ソフト・マシーンならリック・サンダース(Ric Sanders)。彼は後に。ジョン・エサリッジ(John Etheridge)と組んだセカンド・ヴィジョン(2nd Vision)の『First Steps』(1980)、デイヴィッド・スワォブリック(David Swarbrick)無きあとのフェアポート・コンヴェンション(Fairport Convention)にとっても欠かせない存在になります。スティーライ・スパン(Steeleye Span)にはティム・ハート(Tim Hart)の名演が光ってましたね。

 意外なところでは、ジェスロ・タル(Jethro Tull)の代表作の一つ『Thick As A Brick』(1972)でも、イアン・アンダーソン(Ian Anderson)自らが、バイオリンの腕前を披露していました。ゴング(Gong)の『Shamal』(砂の迷宮)(1976)にはジョルジュ・ピンチェフスキー(Jorge Pinchevsky)が助っ人。

 米国のディキシー・ドレッグス(Dixie Dregs)のアレン・スローン(Allen Sloan, M.D)や、英国のディキシー・ミッドナイト・ランナーズ(Dexy's Midnight Runners)の三人のバイオリニスト(Helen O'Hara / Steve Brennan / Roger MacDuff )も異色のプレイが際だってました。


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 英米以外に目を向けると、これまたマニア心をくすぐるアーチストが目白押し。フランスならマグマ(Magma)とのコラボや、ザオ(Zao)、ゴング(Pierre Moerlen's Gong)に貢献したディディエ・ロックウッド(Didier Lockwood)。エマニュエル・ブーズ(Emmanuel Booz)の傑作『Dans Quel État J'erre』(彷徨の歌)(1979)にはロックウッドに加え、ピエール・ブランシャール(Pierre Blanchard)が強力に協力(日本語って美しいなぁ!)。

 トランジット・エクスプレス(Trransit Express)と言えば、デビッド・ローズ(David Rose)。ズーの『Zoo』(1969)や、ヴァンゲリス(Vangelis)の『The Dragon』(1971)『Hypothesis』(1971)を盛り立てたミシェル・リポーシュ(Michel Ripoche)。アトール(Atoll)の『夢魔』(L'Araignée-Mal)(1975)でお馴染み、リシャール・オベール(Richard Aubert)など。

 プラネット・ゴング(Planet Gong)には、英国人グラハム・クラーク(Graham Clark)の名前があります。


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 イタリアならPFMでお馴染み、マウロ・パガーニ(Mauro Pagani)とか、ルチオ・ファッブリ(Lucio Fabbri)が筆頭。アルティ・エ・メスティエリ(Arti + Mestieri)とくればジョヴァンニ・ヴィリアール(Giovanni Vigliar)ですね。

 さて、この調子で他の国々にスポットライトを当てていくと、夜が明けてしまいます(笑)。

 バイオリン以外にも、ヴィオラならヴェルヴェット・アンダーグラウンド(Velvet Underground)のジョン・ケール(John Cale)とか、キャラヴァン(Caravan)のジェフ・リチャードソン(Geoff Richardson)の名前がすぐに浮かんできます。これはこれで、結構面白いテーマになりますね。


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 さて、この設問は正答率100%だったようなので、そろそろ次の設問に移りましょうか。


Eddie Jobson - keyboards, electric violin
John Wetton - lead vocals, bass, guitar
Terry Bozzio - drums, percussion





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テーマ : プログレ
ジャンル : 音楽

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No title

ご無沙汰してます。
民族音楽やクラッシックと関係性を思えば、ロックにヴァイオリンが用いられるのは、とても自然なことに思えますね。
ロキシーはエディ・ジョブソン在籍時の「Siren」が一番好きだったりするワタクシですが、やっぱりプログレ系よりは、アイリッシュ・トラッド×パンク系の方が、パッと思い浮かびますねえ。ヴァイオリニストでなくフィドラーって言うのかな?
でも、ジェントル・ジャイアントとキャラヴァンは、ビートクラブで見てから好きになりましたよ。

Siren

こちらこそご無沙汰お許しを。いつも、コメントありがとうございます。『サイレン』は、アルバムカバーの当時のフェリーの恋人だったジェリー・ホールが、一度見たら忘れられないインパクトありましたね。夢に出てきたらどうしようって、当時、心配で仕方なかったです(笑)。
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 音楽ネタを中心とした雑記帳です。

 60年代後半から70年代にかけてのワールドワイドなロック、ポップス、プログレ、アシッド、サイケ、フォーク、ジャズロック、ジャズなどの話題を主に、ひっそりメモってます。

 それぞれの記事はその時々のフィーリングで書いていますが、基本形はある曲をきっかけに感じた雑感が題材になっています。

 私は単なる音楽愛好家ですので、記事に関しては、思い込みや勘違いがたっぷりあることかと思います。その点はご容赦願います。もし、お気づきの点があれば、ご指摘下さい。

 個人的に思い入れのあるものを主に綴っていますので、マイナーかつ気まぐれなセレクション、お許し下さい。

 それでは、今宵の音楽夜話におつきあい下さい。

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